夜間頻尿

夜間頻尿とは

夜間頻尿とは睡眠中に1回以上トイレに起きることを夜間頻尿と呼び、2回以上トイレで目が覚める場合に治療対象となることがあります。夜間頻尿は睡眠不足や、転倒による骨折も起きやすく、適切な治療を行うことが大切です。

夜間頻尿の原因

夜間頻尿には、夜間に腎臓で作られる尿量が多いために何回も排尿のために目覚める「夜間多尿」と、尿が作られる量に対して膀胱の容量が少ないために排尿のために目覚める「蓄尿障害」の2つの原因があります。

夜間多尿

40歳程度までは夜間に生産される尿は少なくなるため、夜に溜まった尿を朝に排出すれば問題はなく、夜にトイレで起きるということはあまりありません。
加齢、生活習慣病(高血圧、糖尿病など)、慢性疾患(腎障害、心不全など)により、徐々に昼間と夜間の尿量のバランス崩れ、夜間尿量が1日の総尿量の3割以上になると、夜間多尿と診断されます。
夜間頻尿の方の8割以上が、この夜間多尿によるものだと言われています。

蓄尿障害

蓄尿障害は、夜間に生産される尿量に対して、膀胱に尿を溜められる量が少ない状態です。夜に尿意で起きてしまい夜間頻尿となります。
男性の蓄尿障害の原因としては、前立腺肥大症が多く、稀に前立腺がんが原因のケースもあります。
女性の場合は加齢、神経因性膀胱、過活動膀胱などが原因になります。
また、もともと睡眠障害がある方は、夜に起きてしまったついでにトイレに行くという、疑似的な夜間頻尿もあります。

夜間頻尿と生活習慣病

夜間頻尿によって睡眠不足になる方も多く、快適な日常生活が阻害されます。
高齢者では、夜間にトイレに行くことでの転倒リスクもあります。
深い睡眠を取れない状態は、成長ホルモンが分泌されず骨や筋肉の健康にも影響します。
また、交感神経が優位になると、高血圧や糖尿病になる可能性もあります。

糖尿病

糖尿病は、喉の渇きや、神経への影響で神経因性膀胱を発症することがあり、夜間頻尿を併発することもあります。
一度糖尿病になると日常的に血糖のコントロールを継続する必要があり、医療機関での治療が必要となります。糖尿病は様々な合併症を引き起こすため、適切な治療を受けることが大切です。

高血圧・心不全

夜間頻尿で受診される方の中には、高血圧や心不全が発見されることもあります。
夜間に血圧が上昇することで、夜間尿量が増えます。
また、心不全がある方は、就寝時に横になることで水分が心臓へ戻り、血流が増えることで夜間尿量が増えると言われています。

夜間頻尿の検査

排尿日誌

排尿日誌を付けることが、夜間頻尿の診断を行う上で大切になります。
1回の排尿での尿量と時間、飲水量も記録することで、夜間の尿量の割合や膀胱の容量が分かります。
原因が夜間多尿か蓄尿障害のどちらであるかの判別を行う基準にもなるため、排尿日誌を適切に付けることが重要です。

採血検査

採血検査では、腎機能の障害や炎症、前立腺がん(PSA検査)がないかなどを確認します。
隠れている糖尿病や感染症による炎症が見つかる場合もあるため、必要に応じてご提案しています。

尿検査

尿中の細菌やがん細胞、赤血球・白血球の有無を調べます。
夜間頻尿の直接的な原因の判定ということでなくても、膀胱がんや尿路感染症などが見つかることがあります。

超音波検査

超音波検査は、体に負担のない侵襲性の低い検査です。膀胱内の結石や腫瘍の有無、前立腺肥大症の程度などを検査できます。

CT検査

CT検査は、放射線の被ばくはあるものの、お腹の中を詳細に撮影可能であり、尿路の異常所見を把握できる検査です。

夜トイレに起きない方法

夜間多尿の方

塩分や夜間の水分摂取を控えるなどの生活習慣を心掛けましょう。
その上で改善されない場合は、抗利尿ホルモン剤や朝の利尿剤などの投薬治療を行っていきます。
現在では、抗利尿ホルモン剤の投与が多く行われています。

蓄尿障害の方

膀胱の容量が少ない蓄尿障害の場合は、膀胱訓練などの生活指導と薬物療法で治療を行っていきます。
前立腺肥大症のある男性では、α1ブロッカー(ユリーフ、ハルナール、フリバスなど)を第一選択薬とし、β3作動薬(ベタニス、ベオーバ)や抗コリン剤(トビエース、ベジケア、ウリトスなど)を追加していきます。
女性や前立腺肥大症のない男性の場合は、α1ブロッカーを使用せず、β3作動薬や抗コリン剤を使用します。

睡眠障害のある方

睡眠障害が原因で夜間頻尿を発症している方の場合、昼間の生活指導と睡眠薬の投与などで治療を行います。

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…第2週・第4週は午前中、聖路加国際病院にて診察。
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